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#504 「財政調整基金」枯渇危惧 台風19号被災14市町取り崩し 「国が支援を」 長野

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2019年の台風19号で決壊した千曲川の堤防付近。修復された箇所以外には土のうが積み上げられている。堤防のそばで再びリンゴを育てている農家も多い=長野市津野地区

 台風19号が「地方財政」も直撃――。毎日新聞千曲川沿いの長野県内15市町村に実施したアンケートで、各自治体が災害や税収減に備えて積み立てておく貯金「財政調整基金」を、昨年の台風19号の復旧費用や新型コロナウイルス対策に充てるため14市町(川上村は無回答)が取り崩し、台風被害が大きかった市は3割から5割近くまで取り崩す見通しであることが分かった。全国各地で自然災害が頻発する時代。「貯金残高」に不安を抱える自治体からは、国からの財政支援を求める声が多数上がった。

 

 アンケートは2019年度末の財政調整基金の残高を調べた。

 

 堤防の決壊などで甚大な被害が出た長野市の残高は約135億3694万円。公費解体などの災害復旧費に加えて、新型コロナの経済対策などで歳出が増大し、財源不足を補おうと9月補正予算までに計63億1378万円を取り崩す予定だ。ここまで巨額の基金を取り崩す予算案は異例で、市は「過去10年で最大規模」という。

 

 佐久市も多くの家屋が浸水被害に遭い、災害復旧費として約8億円を取り崩して農業施設の復旧などに充当する予算を組んだ。市財政課は「基金の取り崩しですぐに財政悪化につながることはないと思うが、台風の影響は大きい」とこぼす。

 

 19年度末と比べた財政調整基金の減少率(9月時点)を尋ねたところ、長野市が46・6%でトップ。佐久市34・5%▽中野市29・7%▽東御市26・47%▽飯山市25・72%――と続き、台風被害が大きかった市の減少率が高い傾向が浮かんだ。

 自然災害は全国各地で頻発しており、台風19号のような大規模災害がいつ起きてもおかしくない。加えて新型コロナに伴う景気低迷などで、今年度は大幅な税収減が見込まれ、アンケートでは国からの財政支援を求める声も多く上がった。

 

 中野市は「今後も災害などでこのペースで減少すると、数年後に財政調整基金が枯渇してしまう恐れがある」と警戒。基金の取り崩しに頼らない財政を目指しているが「限界がある」として「市からの持ち出しがないように、地方交付税が増額されるとありがたい」と訴えた。坂城町飯山市も、国からの手厚い財政支援を望む。

 

 小布施町は、11年度には財政調整基金を9億4000万円以上積み立てていたが年々残高を減らし、一時は2億円台まで落ち込んだ。台風被害でさらなる取り崩しを余儀なくされ危機感を強める。

 

 町の担当者は「栄村で11年に発生した地震では約5億円の財政調整基金を取り崩したと聞いた。同規模の災害に備えるため、最低5億円の残高を確保することを目標として積み立てしている」と説明する。優先度の低いハード事業を先送りするなどして、20年度末の残高は7億4195万円になる見込みだ。

 

 地方財政に詳しい小西砂千夫・関西学院大教授(財政学)は「財政基盤が脆弱(ぜいじゃく)な地方自治体は将来が不安なので、少しでも財政調整基金を積んでおきたいと考えがちだが、住民から徴収している税金は住民サービスとして還元することが筋なので(基金を)多く積み増せばいいというわけではない。適正額は過去の災害から被害額を想定して決めるべきで、全国平均で見ると一般財源の2割程度」と指摘。一方で、災害に備えるために「財政調整基金が頼みの綱なので、普段から財政収支を均衡させることが重要だ」と指摘した。