コストライフの防災ブログ改め「新しい生活様式(New Life Style)」ブログ

~新型コロナと共存しつつ、社会経済活動を行っていくために、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の取組を定着することが重要です。一緒に取り組んでいきましょう~

#395 ディズニー、4カ月ぶり再開で待ち受ける課題

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東京ディズニーリゾート

東京ディズニーリゾートが営業しているってだけで元気もらえる」

 

「7/1からパークの空気吸いに行けるの? !」

 

「やっぱり心に光をくれる、ディズニー」

 平日の日中にもかかわらず、SNS上はファンたちによる歓喜の投稿であふれかえった。

 

■混雑に備え、3種類のチケットを用意

 国内テーマパーク運営最大手のオリエンタルランドは、新型コロナウイルスの影響で約4カ月にわたって臨時休園していた東京ディズニーランド東京ディズニーシーを7月1日から再開すると発表した。

 再開後は業界団体が策定した感染拡大予防のガイドラインに沿い、1日当たりのチケットは通常の半分以下に制限して販売する。2020年3月期の1日平均の入園者数は約8万8000人。再開後の入園者数は多くても1日あたり4万人程度ということになる。

 6月25日15時から開始するチケットの販売はオンライン上に限定。周辺の公共交通機関や入り口で社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保するため、8時以降入園(8200円)の通常チケットに加え、11時以降入園(7300円)、14時以降入園(6300円)と3種類のチケットを用意した。

 来園者には入園時の検温を実施するだけでなく、屋外で熱中症の懸念がある場合と、周囲に人がいない場合を除き、常時マスクの着用を義務づける。

 また、アトラクションでは列の間引きなど、来園したグループごとに間隔を設定。アトラクションの回転効率を高めるため、単身客を余った座席に案内するシングルライダー制度も、当面は運用を控える。

 キャラクターと触れ合う「グリーティング」をはじめ、感染予防策が徹底できない可能性のあるサービスはすべて休止となる。アトラクションは東京ディズニーシーの「海底2万マイル」をはじめとする全体の施設数の2割、ショップは同3割、レストランは同6割程度を休止する。

 

■コロナ前の業績は絶好調だったが…

 再開後のチケット購入は先着制で、年間パスポート利用者も抽選に当たらなければ入園できない。4カ月にわたり再開を待ち望んでいたファンの期待は大きく、パーク再開の発表後には発売開始前にもかかわらず、チケットの予約サイトがアクセス集中で接続困難に陥った。

 Twitterのトレンドワードにも「チケット戦争」など、東京ディズニーリゾートに関する単語が複数並んだ。

 新型コロナが直撃するまで、オリエンタルランドの業績は絶好調だった。近年、首都圏は大震災級の自然災害にも見舞われず、2014年3月期には売上高4000億円を突破。2019年3月期は東京ディズニーリゾート35周年記念イベントの効果で売上高が過去最高の5256億円に達していた。

 

 しかし、2020年に入って新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府が2月末に大型イベントの自粛を要請。同29日から休園を余儀なくされ、2020年3月期は売上高が前期比11.7%減の4644億円、営業利益は同25.1%減の968億円へ大幅に悪化した。

 3月にはムーミンバレーパーク(埼玉県)やよみうりランド(東京都)など、複数のテーマパークや遊園地が一時的に営業を再開したものの、オリエンタルランドの営業再開は遅れた。4カ月もの休園に耐えられたのも、流動比率が315.1%(2020年3月末時点)など好財務体質がある。

 

■「美女と野獣」オープンは未定のまま

 既存の上限1500億円のコミットメント期間付タームローンに加え、5月にはみずほ銀行と2000億円のコミットメントラインを設定。発症者を出すリスクを極力避け、営業再開に慎重な姿勢を崩さなかった一方、資金面の施策には積極的に取り組んできた。

 7月からの営業再開の判断も、「世の中の状況や緊急事態宣言などの解除を踏まえ、ゲスト(入園者)やキャスト(従業員)の安全対策も整った」(同社広報)ためだと説明する。入場制限を緩和する時期の見通しは立っていないが、社会情勢をみながら判断していくという。

 とはいえ、次なる課題も待ち受ける。新アトラクション「美女と野獣」や「ベイマックス」などを含む、4月オープン予定の大規模開発エリアを入園者にいつ開放するかだ。約750億円を投じている同エリアについて、オリエンタルランドは「開業時期は未定」としたままだ。

 

 同エリアの開業はパーク全体の収容規模拡大につながる一方で、「美女と野獣」や「ベイマックス」といったディズニーの人気作品を扱うことから入園者の利用が集中することが見込まれる。このため、「新たなエリアの開業でたくさんの利用者が(特定のエリアに)密集してしまう状況は回避したい」(同社広報)と、同エリアのオープン時期を慎重に見極めたい考えだ。

 

 中期的には、新型コロナのようなイベントリスクに備え、テーマパークと隣接ホテルに依存している収益モデルを多角化することも課題になる。オリエンタルランド上西京一郎社長は4月の決算説明会で、「(2020年度までの)中期経営計画の期間中はコア事業に注力してきたが、引き続き新規事業創出にも取り組んでいる」と語った。

 6月にはオリエンタルランドが30億円を出資したベンチャー投資ファンドオリエンタルランド・イノベーションズ」を立ち上げた。「遊びと学びの両立支援」「商流・物流の効率化」「暑さ対策」などをテーマにベンチャー企業へ投資していく。

 2大パークの再開にやっとこぎつけたオリエンタルランド。当面の課題は7月1日から始まる入場制限付き運営を軌道に乗せ、社会的距離をとりながら来園者に楽しんでもらうことだが、並行して次なる成長と安定に向けた動きをとれるか。真価が問われている。