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#383 電通に丸投げ、持続化給付金事業に疑惑続々

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 「申請から1ヶ月経っても振り込まれない」「コールセンターに何度かけてもつながらない」。対応に不満の声が上がる
持続化給付金新型コロナウイルスの影響で売上高が半減した中小企業等に最大200万円を支給する事業だが、民間委託の在り方に疑義が生じている。

 

 2020年4月、経済産業省競争入札一般社団法人サービスデザイン推進協議会への委託(769億円)を決めた。するとサービスデザインは大手広告代理店の電通に749億円で再委託。事業の97%を丸投げしていた。さらに子会社5社に再々委託し、電通子会社からは人材派遣会社パソナやコールセンター業務大手のトランスコスモス大日本印刷などに外注されていた。

 電通は「統合的な管理・運営」を行うとしているが、サービスデザインを挟んだ受託の構造に、「税金がピンハネされている」といった批判の声がやまない。

 

■「われわれがやるべきだと思った」

 そうした中、サービスデザインは6月8日の理事会で代表理事を刷新。新しく大久保保裕一(電通グループ執行役員)、浅野和夫(トランスコスモス執行役員)、杉山武志(パソナ常務執行役員)がの3氏就任した。2016年の社団法人設立時から理事を務め、キーマンとされる平川健司氏(19年6月に電通を退社)は業務執行理事に再任となった。

 電通とサービスデザインが8日に行った共同会見で、大久保氏は「説明責任を果たしてこなかったことをお詫びする」と頭を下げた。一方、平川氏はサービスデザインが電子申請を推進してきたことを強調し、「(持続化給付金は)われわれが幹事社としてやるべきだと思った」と、国から受託した趣旨を説明。

 

 「IT導入支援」など経産省補助金事業を数多く受託できている理由を問われると「競争力があるのかなと理解している」と口にした。だが、受託した事業を丸投げする社団法人に「競争力」があるといえるのか。

 野党議員の求めに応じて国が開示した4月14日実施の「持続化給付金事務事業」入札調書によると、外資コンサルティング会社のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社も入札を行っている。

 ここで注目すべきは「等級」だ。企業の規模や対応力を示す入札資格の等級はデロイトがA、サービスデザインがCだった。国民民主党斉木武志衆議院議員が政府から取り寄せた資料(競争参加者資格審査事務取扱要領)によると、等級Cの企業が入札に参加できる事業規模は300万円以上1500万円未満(Aは3000万円以上)。

 

 しかし、経産省が「特に必要があると認める場合」は入札に参加できるという例外があり、巨額事業の入札でデロイトに競り勝った。

 

 700億円を超す持続化給付金事務事業の落札率には不可解な点が残る。予算額776億円に対し、サービスデザインの落札率は98%超の764億円(税込み)。

 

 一般競争入札の趣旨は、企業間で価格競争をさせるところにある。事業費の抑制で、税金の無駄を省けるからだ。国会でこの問題を追及してきた立憲民主党川内博史衆議院議員は「官製談合の疑いが極めて強い」と指摘している。

 

経産省に対して価格の話しをしたのか

 6月8日の会見で平川氏は、入札前に経産省から2回のヒアリングがあったと説明したが、「経産省から価格の話はなかった」としている。サービスデザインから経産省に入札価格の話を振ったのかと問うと「わからない。ヒアリングしてみる」とした。

 実は、事業承継を補助する事業(平成29年度補正予算)についても、中小企業の事業承継を支援してきた全国商工会連合会と入札で競い、サービスデザインに軍配が上がっている。

 なぜ、二十数名しかいない社団法人が国の事業を高い確率で落札できるのか。疑われるのは経産省との距離の近さだ。6月8日の会見ではサービスデザインの「定款」に関して質問が集中した。

 設立時(2016年5月)の定款のPDFファイルでプロパティを見ると、作成者名は「情報システム厚生課」とある。これは経産省の内局組織だ。だが、平川氏は「定款を作ったのは自分」とした上で、経産省が設立に関与した事実はないと否定。作成の経緯をさらに問われると、「残念ながら電通を退社している。当時使っていたコンピュータが手元にないため、詳細はわからない」とはぐらかした。会見を開いたものの、その説明には釈然としない部分がいくつも残った。

 梶山弘志経産相は、サービスデザインを通じた持続化給付金事業の不透明な再委託について、外部専門家で検査する意向を示した。疑惑の解明はまだ時間がかかりそうだ。