コストライフの防災ブログ改め「新しい生活様式(New Life Style)」ブログ

~新型コロナと共存しつつ、社会経済活動を行っていくために、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の取組を定着することが重要です。一緒に取り組んでいきましょう~

#357 韓国版「新しい生活様式」はどんなものか

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韓国版 新しい生活様式はどんなものか

 韓国政府は5月6日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って実施されてきた外出や集会の規制を緩和した。韓国では欧米での都市封鎖(ロックダウン)のような強制的措置は取られなかったが、宗教施設やスポーツジムなど多くの施設に休業を求め、テレワークの推進や不要不急の外出自粛などを国民に呼びかけてきた。

 

 韓国ではこうした厳しい対策を「社会的距離置き」と呼んできたが、感染拡大を抑制できたことで「生活防疫=生活の中での距離置き」に移行することになった。

 

 生活防疫は、ウイルスの存在を前提としつつ日常生活をなるべく取り戻そうとするものだ。韓国政府が提示する「生活の中での距離置き」の指針は、日本の専門家会議が打ち出した「新しい生活様式」と基本的に同じ性格のものだ。

 

 ただ韓国政府の指針は、職場や買い物など31の生活シーンについての細目を記しており、公開された冊子はA4で68ページにのぼる。ここから主要な内容を抜粋して紹介することは、日本の「新しい生活様式」を理解する助けになりそうだ。

 

 韓国の感染症対策の司令塔である疾病管理本部の鄭銀敬本部長は4日の記者会見で、生活防疫への移行について「これまでの日常に戻るということではない」と明言し、感染拡大の状況が悪化すれば「いつでも強力な社会的距離置きに戻りうる」と警告した。

 

 韓国政府はさらに、生活防疫という行動制限は最長で2年間続くという見方を示している。

 こうした悪い情報をあらかじめ示すのは、リスクコミュニケーションを重視する姿勢からきているのだろう。ソーシャル・ディスタンシングを「社会的距離置き」と翻訳しているのも、難解な専門用語を使わないという方針にのっとったものだと考えられる。なじみのない新語を使わなければいけないのなら、英語そのままではなく翻訳をということのようだ。

 

 ただ、ここで断っておくと、韓国の「生活の中での距離置き」指針はかなり厳しい。空港検疫で発見された人を除けば新規感染者が1日に1ケタという日が4月下旬から続いているのにここまでしないといけないのか、と思えるほどだ。そして韓国メディアの報道を見ると、やはり完全に守られているとは言い難い。

 

 日本の「新しい生活様式」でも同じことが予想される。できるだけ守るよう努力しなければならないのは分かっているが、そこまで徹底できないよという韓国の人たちの悲鳴は十分に理解できるのである。

 

 ◇距離は置いても、心は近くに  韓国政府は前述の詳細な指針以外に、A4で9ページの基本指針も公開している。こちらをまず見てみると、もっとも大切なものとして次の5大ルールが示されている。

 

 (1)調子が悪かったら、3~4日は家で休む。

 (2)人と人の間は、両腕を広げた距離を置く。

 (3)30秒の手洗いと、せきエチケット。

 (4)毎日2回以上の換気と、定期的な消毒。

 (5)距離は置いても、心は近くに。

 (1)~(4)は、日本でもよく言われていることだ。そして(5)については、基本指針は次のように理由を説明している。

 「コロナは、一人ではなく、私たち全員の努力があってこそ克服できます。お互いを配慮し、ねぎらい、ともに努力する社会を作らねばなりません」

 韓国の人たちは、さまざまなグループを作って交流することが大好きだ。計9年半暮らしてみての生活実感として、そう思う。高校や大学の同窓会は当然で、趣味の集まり、仕事に関する自主的な勉強会もすぐに立ち上がる。社会人向けの夜間講座でも修了生のグループができることは珍しくない。そんな日常を送っているから、不要不急の会合は禁止などと言われると精神的にショックを受ける人が多いのではないだろうか。コロナで孤独を感じる人は日本にも多いだろうが、この点は韓国人の方がより深刻そうだ。

 

 ◇31の生活シーンごとに指針を策定  個別の生活シーンに踏み込んだ「細部指針」を見てみよう。4月24日に指針案として公表され、関係業界や国民の意見を聞いて調整が行われたという。

 

 せきなどの呼吸器症状や発熱のある人、14日以内に海外から帰国した人は基本的に自宅にとどまるよう求められている。社会的距離として2メートル、それが難しい場合でも1メートルは間隔を空けねばならないし、多くの場合にマスクを着用すべきで、大声で歌ったり、叫んだりというつばの飛ぶような行為を自粛することも、多くの生活シーンで基本マナーとして求められている。

 

 高齢者や妊婦、慢性疾患のある人は「高危険群」と分類され、指針案では公共交通機関、スーパー、図書館、宗教施設、旅行、遊園地、動物園、理美容室、銭湯、劇場、映画館、野球観戦を含むほとんどの日常活動で「自粛」を求められていた。ただ、さすがに反発が強かったようで、高危険群が自粛すべきものとして最終的に残ったのはカラオケボックスやネットカフェ、遊興施設などにとどまった。

 

 上記のような基本マナーを超える生活シーン別の「指針」の主要な内容は以下の通りだ。実際にはどの生活シーンについても、もっと細かな指針が書き込まれている。

 

【事業所】

・在宅勤務や時差出勤を積極的に行う。

・国内外への出張はなるべく減らす。

・研修などは、なるべくオンラインや映像利用で。

・湯飲みなどは自分専用のものを使う。

・テーブルやキーボード、電話機は定期的に消毒する。

・職場の換気を。

・小規模な会合、サークル活動、会食などは自粛し、まっすぐ帰宅。

・エレベーター利用時はマスクをし、会話はしない。

・休憩室を何人もで一緒に使わない。

・防疫を管理する部署(管理者)を指定し、地域の保健所担当者との連絡網を確保する。

 

【会議】

・なるべくテレビ会議、電話会議を活用する。

・対面での会議をする場合には、換気が容易で、間隔を広く取れる広い場所を確保する。

・出席人数を最小限にし、効率的に進行して会議時間を短縮する。

・対面会議をする場合には以下のような措置を取る。

  開始前に参加者の体温や健康状態をチェックする。

  1時間に1回は休憩時間を取って、換気する。

 

【郵便局】

・できるだけスマートバンキングやネットバンキングを利用する。郵便局に行く際もできるだけATMで用事を済ませる。

・郵便業務でも無人受付機のある局では無人機を利用する。

 

【公共交通機関

・マスクをつけ、対話は自粛する。

・できるだけ他の人からの距離を確保する。

・指定席は、1席ずつ飛ばして販売する。

・混雑している時は、可能なら次の電車やバスを待つ。

・タクシー代はスマホアプリで支払う。

 

【飲食店・カフェ】

・滞在時間を最小限に。

・テーブルの間隔を2メートル、最低でも1メートルは空ける。

・できれば横一列に座る。

・食事をする時には会話を自粛する。

・大皿をつつくのではなく、各自の皿に分けて食べる。

・できるだけテークアウトか出前を使う。

・酒の回し飲みをしない。

 

【大規模商業施設】

・ショッピングは最小限の人数で。

・カートやカゴを使う前に表面を消毒するか、手指消毒剤を使う。

・化粧品の試用品を顔や唇につけることを自粛。手などにつけることで代用し、後で消毒か手洗いをする。

・できるだけキャッシュレスで払う。

 

【中小スーパー】

・商店の中にいる時間を最小限に。

 

【結婚式など家族行事】

・テーブルの間隔を2メートル、最低でも1メートル空ける。

・食事時間には、できるだけ正面に向き合わず、横一列か、ジグザグに座る。

・大皿を使わず、各自の皿で食べる。

・ご祝儀はなるべくオンラインで送金する。

 

【葬儀・通夜】

・握手など身体接触を避け、黙礼であいさつする。

・食事をする場合には横一列か、ジグザグに座る。

・弔問と慰労はなるべく簡略に行い、30分以上は滞在しない。

・家族中心の簡素な葬儀とする。

・参列者の名簿作成など防疫に協力する。

 

【宗教施設】

・集団での食事は自粛し、どうしてもという時は参加者間に距離を取る。

・オンラインでの行事を活用する。

・参加者名簿の作成など防疫に協力する。

 

【キャンプ場】

・家族以外の大人数での利用は自粛。テントを張る時は2メートル以上の距離を置く。

・予約制などで1日の利用客数を制限し、空間を空ける。

 

【公衆トイレ】

・大便器はふたを閉めてから水を流す。

 

【劇場・映画館】

・入場券はできるだけ事前にオンラインで購入する。

・時間に余裕を持って入場する。

売店などに密集しないようにする。

・座席は1席ずつ空けて、前後はジグザグに販売する。

・劇場内での飲食は自粛する。

 

【野球場・サッカー場

・なるべく事前にオンラインでチケットを購入する。

・競技場内で集まって飲食することは自粛する。

・応援道具やタオルなどは自分のものを使用する。

・観戦時の座席は1席ずつ空けて、前後はジグザグに販売する。

 

カラオケボックス

・マイクは、カバーをかけて個人別に使い、共有しない。

・高危険群は利用自粛。

・利用者名簿の作成など防疫に協力する。

 

【屋内スポーツ施設】

・運動服やタオルなどは自分のものを使うようにする。

・脱衣室やシャワー室など共用施設の利用は自粛する。

・使い終わった運動器具は利用者が消毒する。

・高危険群は施設利用自粛。

・利用者名簿の作成など防疫に協力する。

 

【ネットカフェ】

・座席は、1席ずつ空けて利用する。

・高危険群は利用自粛。仕方なく利用する場合にはマスクをつける。

・利用者名簿の作成など防疫に協力する。

 

【遊興施設(接待を伴う飲食店など)】

・滞在時間を最小限にする。

・テーブルの間隔を2メートル、最低でも1メートル空ける。

・できるだけ正面から向き合わず、横一列に座る。

・食事をする時には会話を自粛。

・回し飲みをしない。

・高危険群は利用自粛。仕方なく訪問する際にはマスクをつける。

・客の名簿作成など防疫に協力する。