コストライフの防災ブログ改め「新しい生活様式(New Life Style)」ブログ

~新型コロナと共存しつつ、社会経済活動を行っていくために、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の取組を定着することが重要です。一緒に取り組んでいきましょう~

#290 この国の行政のあいかわらずのアナログな制度不良

 私が教鞭をとっている学部の非常勤講師仲間のA氏が困った状態に陥ってしまいました。

 そもそも非常勤講師という業態は要するに授業1コマ何円で請け負うアルバイトみたいなものであり学校がなければ無収入になってしまいます、今回の新型コロナウイルス惨禍による大学・短大授業の延期で多くの非常勤講師が収入ゼロに追い込まれています。

 非常勤講師は経済的には不安定なので多くの場合、私のように副業を持っています、あるいは複数校を掛け持ちいたします。

 A氏も複数の学校で講師を掛け持ちしていたのですが、今回はそれが裏目に出ました、掛け持ちしていた学校が全て休校になってしまいました。

 40代独身都内マンションに一人住まいのA氏は、ネットで調べ公的機関に無利子で借り入れることを決断します、無利子で20万円借りることができる『新型コロナウイルス感染症の影響による休業等による 福祉資金 緊急小口資金(特例貸付)』に申し込むことにしたそうです。

 例えば東京都では、その手続きのPDFファイルが公開されています。

 

https://www.neri-shakyo.com/application/files/3715/8504/5652/01.pdf

 スピードが重視されており、「申請から交付まで1週間程度」と審査が通れば一週間ほどで振り込まれると、一応うたわれているわけです。

まずA氏が困惑したのが用意しなければならない書類の煩雑さであります。

■ お申込みに際して必要な書類等
(1)本人確認書類(健康保険証、運転免許証、パスポート、住基カード等)
(2)住民票の写し(世帯全員が記載された発行後 3 か月以内のもの)
(3)預金通帳(申込み当日までの記帳を行うこと)
新型コロナウイルス感染症の影響で減収したことが確認できる通帳
②税金・社会保険料・公共料金等の支払いが確認できる通帳
※通帳で減収や税金等の支払いの確認ができない場合は、③日常的に入出金を行っている通帳
及び④給与明細等の収入が確認できる書類が必要です。
(4)印鑑(銀行印)
(5)その他、東京都社会福祉協議会が指定する書類

 これですねえ、今月の生活費に困窮しつつある世帯にすべて求める必要があるのでしょうか、チェックする側も相当な事務量だと思われます。

 さて何とか書類一式用意したA氏は、先週申込先である居住地の区市町村社会福祉協議会に連絡したそうです。

 やっと繋がった電話で、申込みしたいので至急来所したい旨を伝えたA氏に、担当者は「現在申し込みが大変混雑していますので、今日の申し込みで来所いただけるのは来月上旬(ゴールデンウィーク明け)のこの日になります」とのたまうのそうです。

 A氏は絶句してしまったそうです。

 今月の生活に困窮している人々を対象にしている貸付制度のはずなのに、なおかつ、スピードが重視されており、「申請から交付まで1週間程度」を謳い文句にしていた制度なのに、申し込む前に、書類チェック等の煩雑さからかマンパワーがそもそもたらないのか、来所する前に1ヶ月の待ち行列が出現しているのです。

担当者は「4月9日より、郵送での受付が可能となります。ご希望の方には申請書類をお送りいたします」と案内してきましたので、おそらくまだそちらが早いだろうと、A氏は住所氏名を伝え、郵送での受付を選択したそうです。

 なんでしょう、これは。

 東京都下、ある居住地の区市町村でA氏が経験した、すべて実話であります。

 たとえばスイスは、個人貸付は事実上無審査で即日4時間で振り込まれています。

(関連記事)
中小の資金繰り支援、時間との闘い スイスは即日融資
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57894600Z00C20A4MM8000/

記事より抜粋。

「すぐに口座に資金が振り込まれて助かった」。ジュネーブで老舗レストランを経営する男性(46)は語る。3月中旬からの営業禁止で賃料や給与の支払いが行き詰まりかけたが、ギリギリで危機を乗り越えた。

50万スイスフラン(5600万円)まで100%政府が保証し、銀行が無利子・無審査で融資する。簡単な書類に必要事項を記入しメールで銀行に送れば原則数時間内に振り込まれる。3月26日の受け付け開始から10日間で8万件以上、計150億スイスフランを融資。4月3日には融資枠を200億スイスフラン追加すると発表した。新型コロナによる売り上げ急減の証明などが条件だが、課税ID(法人・個人番号)の整備で、大量の書類の提出などは不要だ。

 もちろん制度の違いもあるのでしょうが、日本ではあまりにも無駄な書類の提出が多過ぎるし、しかもその書類のチェックがすべてアナログな人海戦術に頼っていますから、今回のように申込者が殺到すると事務作業がパンクしてしまうわけです。

 まったく笑えない冗談のような、この国の行政のあいかわらずのアナログな制度不良を見せつけられた気持ちです。

 いずれにしても多くの人々の生活がかかっています、早急に待ち行列の解消・改善をお願い致します。

 

記事 木走 まさみず さんより