コストライフ㈱の防災ブログ

~命を守る行動を~

#164 武蔵小杉タワマン住民の「本当の悲劇」がこれから始まる【その2】

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共用部分がネックになる

 車を持っていないタワマン住民も関係がないわけではない。マンションのいわゆる「共用部分」の故障は、マンション全体を巻き込むトラブルの原因になることが多い。

 '08年に竣工したパークシティ武蔵小杉は、これから初の大規模修繕を迎えるところだった。ところが、その直前に地下の電気系統と駐車場が故障したため、修繕計画は大きく遅れることになる。

 70代の女性住民はこう語る。

 「今の工事が終わるまで、修繕の話は当分先送りになるんじゃないか、と住民の間では噂になっています。復旧工事にかかるおカネがいくらになるのか、どこから出るのか、まったく決まっていないからですよ」

 我が家は火災保険や地震保険に入っているから大丈夫―。そう思っている人にとって、マンション共用部分の故障は想定外の落とし穴になる。

 これは、パークシティ武蔵小杉のみならず、高層マンションに住む誰もが他人事ではない。

 ファイナンシャルプランナー清水香氏は次のように解説する。

 「個人で入っている建物部分の保険は、自室の『専有部分』が、浸水などの被害にあった場合に適用されるものです。地下階の電気系統の故障で停電などがあったとしても、保険ではカバーされないのです。

 共用部分については、管理組合が一括して火災保険や地震保険に加入しています。ただ、地震や火災だけでなく、水害でも保険金が出るかは、契約の内容次第です。そもそもタワーマンションのような大規模集合住宅では、管理組合が保険に入っているのかすら知らない人も少なくないようです」

 個人で火災保険や地震保険に入っていたとしても、共用部分である駐車場やエントランスの故障は補償の対象外である。また、同じく共用部分にある配電盤が故障し、停電した場合も保険はカバーしてくれない。

 冷蔵庫の食料やワインセラーアクアリウムなどが被害を受けた場合だけでなく、在宅介護用の呼吸器が止まるなど、人命に関わる重大な事態が起こったとしても、個人加入の損害保険の適用外なのだ。

 

その3へ続く