コストライフ㈱の防災ブログ

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#121 災害関連死か判定協議へ 台風19号被災後死亡【長野県】

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災害関連死について考える

 昨年10月の台風19号で大きな被害の出た長野市で、被災後の同11月に体調を崩して死亡した男女少なくとも2人について、遺族が避難生活の負担が原因の「災害関連死」ではないかと市に相談していることが3日、遺族への取材で分かった。1人は在宅避難者で、もう1人は高齢者施設から避難した先の施設で亡くなった。市には他にも複数の相談が寄せられており、市は本年度内にも弁護士や医師らによる審査会を開き、関連死かどうか判定する協議を始めるという。

 遺族が市に相談した1人は、大動脈解離のため78歳で死去した同市赤沼の中村寿男さん。遺族によると、高血圧で服用していた薬が被災の影響で飲めなくなり、被災から1カ月後の11月12日、自宅で倒れ搬送先の市内の病院で亡くなった。

 もう1人は同市豊野町豊野の高齢者施設で被災し、市内の別の老人ホームで89歳で亡くなった女性。遺族によると、慣れない生活で次第に元気がなくなり、11月中旬に死去。医師から老衰と説明されたが、死亡診断書には「台風19号の影響」と記載されたという。

 政府は昨年4月、災害による負傷の悪化、避難生活での身体的負担による疾病で死亡し、災害弔慰金の支給対象と認められた人を「災害関連死」と定義。その判定は自治体に委ねられている。

 災害関連死に詳しい神戸協同病院(神戸市)の上田耕蔵院長は、東日本大震災熊本地震などでは避難生活のストレスで血圧が上昇し、大動脈解離や心筋梗塞で死亡した例があると説明。介護施設の入居者も、災害後の施設の機能低下が原因で死亡したと判断されれば関連死と認められる場合もあるとする。その上で「今後の災害関連死を防ぐためにも、相談があった事例は自治体がしっかり検証する必要がある」と強調する。

 一方、被災地では、被災した自宅の2階で寒さ対策が不十分なまま生活を続ける被災者も多い。避難所・避難生活学会の榛沢(はんざわ)和彦理事長(新潟大特任教授)は「被災した自宅での生活は、避難所に比べ病気にかかる危険性が高い。災害関連死を防ぐには、被災から時間がたっても、自宅避難者に対して高齢者専門の医師が巡回するなどの支援が必要だ」と指摘している。