コストライフ㈱の防災ブログ

~命を守る行動を~

#120 信号機の停電対策、必要箇所の52%どまり 費用が壁に

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信号機の停電対策は?

 千葉県に大きな被害をもたらした昨年9月の台風15号による大規模停電で、県内の信号機が最大時約1600基消えたことが警察庁への取材でわかった。その影響で人身事故も発生した。こうした事態は過去にも繰り返され、信号機を消えないようにする機器の導入が進むが、費用が多額で、災害時に警察や消防が多用する主要交差点への設置は全国で52・6%にとどまっている。同庁は優先順位をつけて整備する方針だ。

 

 千葉県には約8400基の信号機があり、台風15号による停電で最大時に1634基が消えた。停電時に信号機に電力を送る常設の機器「信号機電源付加装置」は、停電エリアに約190基しかなかった。

 県警は約240台の発電機を主要交差点に運んで、信号機を使えるようにした。電力が復旧したら別の交差点へと運んだ。ただ、発電機も足りず、多くの主要交差点で警察官が交通整理をした。発災直後は警察の対応が追いつかない交差点で渋滞が発生。けが人を伴う事故が4日間で11件起きた。

 消えた信号機は発災3日後に800基を、5日後に200基を切り、2週間で全ての信号機への通電が復旧したが、この間のべ約2250人の警察官が付加装置と発電機の給油・運搬、交通整理をした。台風15号では、茨城や神奈川、埼玉など7都県でも194基の信号機が消えた。

 翌10月の台風19号でも千葉、神奈川、長野など29都府県で、約1250基の信号機が消えている。

 災害時に信号機が使えなくなる事態は繰り返されている。一昨年9月の北海道胆振東部地震では、道内ほぼ全ての電力が止まる「ブラックアウト」が発生。付加装置を備えた約200基を除く約1万2800基の信号機が消え、3日間でのべ約1830人の警察官が交通整理をした。関西空港の連絡橋にタンカーが衝突するなどした同じ月の台風21号では、大阪、愛知、兵庫、三重など12府県で約3440基が消えた。

 発災直後の事故や渋滞を防ぎ、より多くの警察官を被災者の救助などに充てるため、警察庁東日本大震災後に付加装置の導入を進めてきた。昨年3月時点で、全国に1万94基あり、震災前の2倍になった。

 しかし、自治体の庁舎と避難所を結ぶ道路や幹線道路の交差点など、災害時に警察や消防が多用する場所で必要とされる1万8514基のうち、設置済みは同月時点で9730基(52・6%)にとどまる。購入や管理に多額の費用がかかるため、少しずつ増やすしかないという。

 一昨年の北海道胆振東部地震を受け、政府は2020年度までに付加装置を1千機増やす対策を決め、18年度の補正予算と19年度の当初予算で計約7億円を計上。20年度当初予算案にも約3億8千万円を盛り込んだ。今年度の補正予算案では可搬式の発電機の購入費用約1億4千万円も計上した。警察庁は「被災地の道路の混乱を防ぐため、21年度以降も整備をしていく」としている。