コストライフの防災ブログ改め「新しい生活様式(New Life Style)」ブログ

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#102 インフルエンザでもマスクをしない迷惑上司、ウイルスまき散らしの代償【その4】

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その3】からの続き

「インフルエンザで休むな」発言がパワハラに?

 翌朝、部長も結局インフルエンザだったらしく、休みの連絡が入った。皆は、インフルエンザは、もともと最初にくしゃみをしていた部長が原因だったのでは?と噂した。

 すると、その日の午後にも南田を含め5名ほどが体調不良を訴え早退し、翌日はなんと部内の8割以上の社員がインフルエンザで欠勤となった。営業部は事実上業務が停止し、大混乱に陥った。

 また、回復して復帰した東山は、部長が「インフルエンザくらいで休むな」といった発言をしていたことを知り、自身のSNSで「パワハラ部長のあり得ない発言」として紹介した。さらに、取引先のF社の北野に面白おかしく、「いまどき、そういう感覚ってあり得ないですよね?昭和かよ!?って思いますよ(笑)」などと話したものだから、F社からは「A社の西川営業部長は日常的に部下にパワハラを行っているのか?」という質問まで来る始末。

 事態の報告を受けた役員一同は、「具合が悪い部下に出勤を強要するのはパワハラだ」と激怒した。

 これについては、近々人事がハラスメントの調査を行うとのことで、さすがの部長もそれ以降はおとなしくなっているようだ。また、最初にくしゃみをして体調が悪かった部長がマスクもせずに部内にウイルスをまき散らしたということで、「リスク管理がなっていない」と役員はさらにきつく叱責したらしい。

インフルエンザでの出勤強要はパワハラか?

 今回のケースでは、部長は休むことに対して嫌みを言ってはいたが、実際に出勤の強要まではしていない。では、インフルエンザを発症した部下に出勤を強要するのは「パワハラ」にあたるのだろうか?

 労働契約法第5条には、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」とある。

 そのため、インフルエンザに罹患した社員に出社を強要することは罹患した社員のみならず、他の社員にも移る危険性があることから違法性が高いといえる。

 出社の強要がどの程度でどういった雰囲気だったのかにもよるが、場合によっては違法なパワハラと判断される可能性もある。

 とはいえ、実は社員が季節性インフルエンザに感染した場合に、出勤停止等の法的な基準はない。学校では、法律で出席停止期間が決まっているが、会社には適用されない。したがって、各社であらかじめルールを決め、何よりも予防に努めることが重要だろう。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。