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#85 「水害リスク」に備えた家選び…自分でできる“治水”や“土地の特性”の調べ方【その2】

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地理院地図で土地の特性を知ろう

 また、土地の特性を知るには、国土地理院ウェブサービス地理院地図」が役立つ。

 この「地理院地図」は土地の特徴、災害履歴などの情報を地図上で見ることができるのだが、設定によっては、土地の成り立ちや災害リスクなども分かるというというのだ。

 例えば、地理院地図のタブから「情報」→「ベクトルタイル提供実験」→「地形分類(自然地形)」と設定すると、地図が色分けされるが、この色から土地の成り立ちなどを分析できる。

 この設定で東京近郊を見ると、渋谷区は河川氾濫のリスクが少ない「台地・段丘」(オレンジ色)が目立つ。一方で「ここにいてはダメ」というハザードマップが話題となった、江戸川区は、河川氾濫などに注意が必要な「氾濫平野」(薄緑色)が大半を占めていた。

 このほか、「情報」→「土地の特徴を示した地図」→「治水地形分類図」→「更新版(2007~2018年)」と設定すると、かつて川の流れがあった「旧流路」の場所、堤防といった河川管理施設の状態なども確認できるという。

 詳しい解説は、地理院地図のタブからアクセスできる凡例・解説ページも掲載されているので、設定した地図と見比べつつ、土地の状態を把握しておいてもよいだろう。

 関東地方整備局は「100年に一度の災害は明日来るかもしれない。河川整備計画を見ても良いが、ハザードマップも見て、どこに逃げるのか、どう逃げるのかも確認してほしい」と話す。

 

高台でも「割を食う」場所がある

 それでは、実際に住む場所を選ぶときには、どんなことに気を付けたら良いのだろう。
 住宅診断事業を展開する「さくら事務所」会長、不動産コンサルタントの長嶋修さんに聞いたところ、高台なら安全と考えがちだが、そうとも限らないという。

 例えば、都市部では雨水の処理量を1時間当たり50~60ミリ程度と想定しているが、それ以上の雨が降り続ければ、排水しきれない可能性も出てくる。そのようなときは、高台の立地によっては一時的な浸水被害に見舞われる場所が出てくるというのだ。

「周囲と比べて相対的に土地が低いと、排水しきれない水が一時的に集まってしまいます。割を食うというべきでしょうか。半地下の建物もあるので、標高が高くても安心はできません」(長嶋さん)

 大雨が降ったとき、坂の下で水があふれる様子を思い浮かべると分かりやすいかもしれない。

 周囲により高い場所があるときは、このような可能性があることも頭に入れておきたい。

 また、土砂崩れなどを考えると、その土地が「盛土」「切土」どちらであるかも重要なようだ。

 傾斜地が分譲地として開発されるときは、扱いやすいように階段状に整地されることが多い。ここで切り出された土地が切土、削り取った土を盛って作られた土地が盛土となるのだが、盛土は一度削った土地で作られているため、地盤が弱くなりがちだという。

 その場所が盛土が切土かは、地理院地図で「地形分類(人工地形)」と設定すると調べられるほか、役所や土地の売主が知っていることもある。後で後悔しないためにも、事前に調べておきたい。

 

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