コストライフの防災ブログ改め「新しい生活様式(New Life Style)」ブログ

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#60 インフルエンザの予防接種は無料にしないと危険な理由【その2】

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「無料にする必要はなく、価格を1999円に設定して残額を政府が負担すれば良い」という考え方もあろうが、貧しい人が1999円を惜しんで予防接種を受けずに罹患し、世の中に迷惑をかけるリスクを考えれば、無料にする方が合理的だ、という考え方も十分に説得力を持つ。

 さらに言えば、「予防接種を受けなければ罹患する確率が2割で、受ければ1割だ」といったデータを持っていない人には、受けるべきか否かの損得計算ができないので、いっそ無料にすることが望ましいのである。

予防接種のありがたみが実感しにくいことも問題

 無料になるならともかく、そうでないとすると、実際に予防接種を受けた人が「受けて良かった」、受けなかった人が「受ければ良かった」と思い、それにより「翌年も(来年こそは)受けよう」と考える人が増えることが重要である。しかし、それは容易ではない。

 受けた人がインフルエンザに罹患しなかったとする。しかし周囲には、受けなかったのに罹患しなかった人が大勢いるわけなので、「予防接種のおかげで罹患しなかった」という感謝の念は持ちにくい。神様が「あなたは、罹患する運命にあったのに、予防接種で救われたのですよ」と教えてくれれば別だが、それは普通には起きないからだ(笑)。

 一方で予防接種を受けた人がインフルエンザに罹患したら、受けたことを後悔するはずだ。実際には「予防接種を受けると、罹患しても症状は軽い」といわれるが、罹患した人が「自分の症状は周囲の罹患者より軽かった」と認識するのは容易ではないだろうから、この点は本稿では考慮しない。

 受けなかった人が罹患しなかった場合、受けなかったという自分の判断を正しかったと考えて、翌年も受けないだろう。受けなかった人が罹患した場合でも、反省して翌年は受けるとは限らない。

 受けなかった自分の判断ミスを認めたくないため、受けなかったことを正当化する理屈を考える人も多そうだからである。例えば「受けたのに罹患した人も多いし、受けなかったのに罹患しなかった人も多い。単に今年の自分は運が悪かっただけだ」といった具合である。

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